トルクの由来
トルク
捩じれモーメント
回転モーメントトルクという言葉は、一般的に「捩じれモーメント」「回転モーメント」を表し、工学用語として広く用いられています。しかし、古くは「首輪」の意味をもちます。これは、古代ヨーロッパを席巻したケルト人が、貴人のシンボルとして、また戦士の護符として首にまとった独特の装身具に由来しています。
首輪(トルク)の呼び名は、捩じって渦を巻いた螺旋状のフォルムを捉えて、古代ローマ人がラテン語の「巻く・回転させる=トルケーレ(torquere)」から名付けたといわれています。その渦巻模様は、ケルト人にとっては霊魂の宿る神聖な象徴であり、戦いの相手であったローマ人にとっては脅威の装飾だったのです。
近代になりトルクは、ケルトの首輪の捩じるイメージから発想し、ねじ締め付けの大きさやエンジンなどの回転力を指す言葉として定着し、目的も戦士の護符ならぬ、安全やパワーの護符となっているのではないでしょうか。